例題だけはダメ!「1対1対応の演習」の使い方をご紹介します!

大学受験の数学で最も有名な問題集の1つが「1対1対応の演習」です。個人的に、標準問題の解法をインプットする問題集としては一番適していると思います。教科書の章末問題が終わったら、その次は「1対1対応の演習」をオススメします。ただし、教科書に立ち返ることは忘れずに!

「1対1対応の演習」を使う為の条件

「1対1対応の演習」を使おうかどうか悩んでる人は多いと思います。特に、自分の学力で読めるのかどうかを気にする人は多いのではないでしょうか。簡単に見分ける方法としては以下の2つがあります。

・教科書の例題と、章末問題(AとBがある場合はAだけでもOK)のほとんど全てを解ける

・東京出版の「入試数学の基礎徹底」のほとんど全ての問題が解ける

よく「1対1対応の演習は難しい」と聞くかもしれませんが、教科書がしっかり理解出来ていれば読めます。

「1対1対応の演習」のレベル

「1対1対応の演習」のレベルは標準です。「大学への数学」では入試数学のレベルを 10 段階に分け、さらに 4 つにランク分けしています。

・A問題(レベル 1~5)→教科書の例題や章末問題レベル

・B問題(レベル 6~7)→標準レベル

・C問題(レベル 8~9)→発展レベル(一部、知らないと解けない問題も含む)

・D問題(レベル 10)→難問

 

イメージとしては以下のような感じです。

・A問題:解けなきゃ落ちる

・B問題:全て解ければ東大でさえ大丈夫(理科Ⅲ類、京大医学部、阪大医学部は厳しい)

・C問題:解けたら有利になるが普通は解けない。

・D問題:普通の人には無理。解こうと思うだけ無駄である。

 

「1対1対応の演習」はB問題を主に扱っています。この問題集に収録されている問題が全て解けるようになれば、入試で出題されるB問題を確実に解くことができる、というのがコンセプトです。そして、入試はB問題をどれだけ解けるかで合否が分かれます。CやD問題、いわゆる難問が解けなくても合否に影響しません。例えばA問題が100% 、B問題が90%解けるのであれば、東大(理Ⅲを除く)に合格できるでしょう。B問題 の90%を解けるようになることはかなり難しいことです 。「1対1対応の演習」をマスターすれば東大でも立ち向かえる。この本がほとんど全ての受験生にとっての1つのゴールです。

「1対1対応の演習」の問題数

例題の数は以下のようになっています。

数学 I:53 題

数学A:54 題

数学Ⅱ:83 題

数学B:59 題

数学Ⅲ(曲線・複素数編):36 題

数学Ⅲ(微積分編):75 題

例題の合計:360 題

妥当な数だと思います。少なくともこれくらいの解法は覚えないといけません。ちなみに、演習題は例題とほぼ同じ数なので、合計 720 題くらいになります。

例題だけはダメ!「1対1対応の演習」の使い方

例題だけやる、というのはオススメしません。理由は以下で述べます。

「1対1対応の演習」の例題の役割

例題はインプット用です。つまり、ほとんどが初見で解けるものではありません。何度もノートに書いて身につけるための問題です。難しいと言って放り投げずに、ここは我慢です。英語の単語を覚える様に、頑張って覚えましょう。また、例題の下にある「前文」は必ず理解して覚えて下さい!ここを覚えることで、知らない問題の突破口が見えることが多いです。逆に、ここを覚えないと「1対1対応の演習」の効果は半減します。

「1対1対応の演習」の演習題の役割

演習題はアウトプット用です。医学部では典型問題がそのまま出ることはほとんどありません。形を変えて出題され、手を進めていくと「この処理は1対1でやったことあるな」というようになります。ですので、例題をそのまま覚えてもあまり意味がないのです。「青チャート」などでは、例題と演習題がほぼ同じという問題が多々あります。一方、「1対1対応の演習」の演習題は例題をひねってることが多いです。そして、それを例題に帰着するのがアウトプットの練習として最適です。

 

数学は自分の頭と手を使って考えないと成長しません。演習題は、例題の知識+それ以前の基本問題の知識で解けるようにしてあります。ここで頭と手を使う練習をして下さい。ただ、何時間も考えるのは良くないので、目標時間の 2 倍程度を上限として下さい。解説のページにその問題のランク(A~D)と目標時間が書いてあります。ちなみに、演習題がCランクだった場合は飛ばしても問題ないと思います。今まで頭を使う練習は散々やってきたし、自信がある。という人は例題だけでも問題ないでしょう。

「1対1対応の演習」と「青チャート」や「Focus Gold」の違い

「1対1と青チャートどっちがいいですか?」こんな質問をよくされます。役割が違うので、出来れば両方とも持っておいて欲しい本です。「1対1対応の演習」は問題集ですが、「青チャート」や「Focus Gold」は辞書の役割が強いです。

 

「1対1対応の演習」は標準問題の中でも、典型的で得るものが大きい問題を精選しています。そして、効率よく標準問題まで解けるようになろう、というのが狙いです。一方、「青チャート」や「Focus Gold」は基本~発展まで出来るだけ多くの問題を集めた参考書です。英語で言えば辞書みたいな存在です。なので「Focus Gold」は例題だけで 1051 題もあります。「1対1対応の演習」は 360 題なので 3 倍ありますね。この数をこなせる根気があるのならやっても良いと思うのですが・・・ちなみに僕には無理です(笑)

 

「青チャート」や「Focus Gold」の使い方でオススメなのが、よく出る単元だけ集中的に使う方法です。例えば、空間図形の対策をしたいな、と思った時に、「Focus Gold」の中にある空間図形の問題を全て解く、という方法です。

「1対1対応の演習」と「標準問題精講」の違い

これについては、ほとんど違いはありません。好きな方を使えば良いでしょう。ただ難易度は

1対1<標問

だと思います。特に標問の数Ⅲはかなり難しいと思います。あと、完全なる独断と偏見ですが、標問の方が質問が多くくるし、解説をぱっと読んで理解できないことが多いので嫌いです(笑)僕のイメージとしては標問は「1対1の演習(ただし例題がない)」って感じです。どこから説明してあげたら良いのか困ることが多く、なんてめんどくさい参考書なんだ!っていつも思ってます(笑)でも好きな人は多いようなので、「1対1対応の演習」より勉強が進みそうだと思えば「標準問題精講」を使いましょう。

「1対1対応の演習」を使う利点

客観性が高い

「1対1対応の演習」を作ってる東京出版は 1957 年に「大学への数学」を創刊しました。それ以来、毎年すべての大学の入試問題を解いているようです。その中で以下のノウハウを蓄えています。

・よく出る問題

・応用性の高い考え方や解法

・是非とも知っておいて欲しい問題

その集大成が「1対1対応の演習」です。入試問題を解くために何を身につけるべきか?を複数人がトコトン考え抜いて作ってくれているのです。それゆえに、客観性は高いものとなっています。

 

一方、「標準問題精講」の作者は1人です。

・問題選定

・解法の選択

この2つを1人でやったものだと思います。1人でやってるからよくない、とは思いませんが、僕はどうせ使うなら多くの人の意見を取り入れた「1対1対応の演習」かな、と思います。

解法が洗練されている

解法が洗練されているというのは、応用性が高い考え方を示してくれているということです。数学の問題は色々な解き方が出来ることが多く、先に繋がらない考え方というのも存在します。この問題はその方法で解けるけど、ちょっとひねられるとその方法では解けなくなる。という様なやつです。「1対1対応の演習」では、そのような応用性の低い考え方は排除しています。

 

これが原因で、人によっては「何でわざわざこんな方法で解くのだろう」と思ってしまいます。そして、これが積み重なり「1対1の解き方は良くわからないから嫌だ」という人が出てきます(笑)気持ちはわかりますし、それが負担であれば「標準問題精講」を使えば良いと思います。どうせなら数学の実力を出来る限り上げたい、そんな人には「1対1対応の演習」をオススメします。

「1対1対応の演習」が終わったら次に取り組むもの

「次の問題集は何がいいですか?」という質問がありますが、「1対1対応の演習」が終わったら過去問です。レベルのとこにも書いたように、「1対1対応の演習」で対応できない大学はほとんどありません。あるとすれば、それは過去問でしか対策できません。例えば、京都府立医科大学の問題は対応できません。しかし、他の問題集でも対応できません。過去問をやり込むしかないのです。

 

問題集を追加することがあるとすれば以下のような感じでしょうか。

・苦手な分野をわかりやすく書いたもの(「合格る確率」など)

・計算問題集

・難しい問題までやらないといけない単元は、それに特化した問題集

このように、過去問をやってみて〇〇の力が足りないから補足しよう、のような追加の仕方がほとんどです。「1対1対応の演習」が終わったからと言って、次の問題集に進む必要はありません

「1対1対応の演習」は私立医学部にも適しているか

以下の4大学の医学部は厳しい所があります。しかし、他の私立医学部は十分に対応できます。

・慶応医学部(1対1だけじゃ無理)

・慈恵医大(1対1だけじゃきついが、そもそも合格最低点が低い)

・日本医科(1対1だけで戦えることが多い)

・順天堂(英語の配点が高いので、英語優先。数学は1対1で出来る範囲でOK)

これ以外は「1対1対応の演習」だけでお釣りがきます。でもお釣りが来るということはちょっとだけ過負荷な所があるってことです。最低限どこまでやれば良いのかは、まとめ次第また書き加えます。

「1対1対応の演習」のまとめ

・教科書の章末問題が解ければ読めます

・入試は標準問題が全て解ければ合格点がとれます。1対1はそれをコンセプトに作られた問題集

・例題だけはダメ。例題はインプット、演習題はアウトプット

・例題は初見では解けない。何も見ずに答案を再現できるまで何度も繰り返し解く

・演習題は目標時間の2倍を限度に考えて解く

・1対1は問題集で青チャートは辞書

・1対1の代わりに標問でもOK

・1対1が終わったら過去問

・私立医学部にも適しています(慶應以外)

 

 

 

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