理系数学入試の核心(標準編)は医学部入試に適しているか

この参考書レビューは、私がその参考書のほとんどの問題を解き、解説を読み込んだことがあるもののみ紹介しています。「理系数学入試の核心(標準編)」を買うか買わないかの参考にして下さい。

今回は Z 会出版の「理系数学入試の核心(標準編)」です。おそらく、ほとんどの医学部志願者にとって不要ではないでしょうか。以下でその理由をあげていきます。また「自力で解けない!」という声もよく聞きますが、それはあなたのせいではありません。使うタイミングを間違えています

「理系数学入試の核心(標準編)」と「1対1対応の演習」の違い

一言で言ってしまえば以下の違いがあります。

1対1対応の演習:インプット

入試の核心:アウトプット

インプットとアウトプットという言葉に馴染みがない人もいると思いますので、もう少し詳しく説明します。また、「1対1対応の演習」との違いも具体的に述べます。

1対1対応の演習

「1対1対応の演習」を使うための前提と目的は以下です。

前提:基本問題(教科書の例題レベル)を解く知識があること

目標:標準問題の解法を身につけること

標準問題の解法を身につけることが目標なので、ほとんど全ての問題は初見では解けません。大変ですが1個1個覚えていくしかありません。これが終わって初めて「考えて問題を解く」という作業が出来るようになります。このように、解法を覚えることをインプットと呼んでいます。

基本問題を解く知識が身についているかどうか心配ない人は、同じく東京出版の「入試数学の基礎徹底」を見てみると良いと思います。

理系数学入試の核心(標準編)

「理系数学入試の核心」を使う前提と目的は以下です。

前提:標準問題の解法が身についていること

目標:標準問題の知識を使って、どうやって問題を解いていくのかを身につける

つまり「1対1対応の演習」の例題レベルが解けるようになっているのが前提です。その上でアウトプットの練習をしたい人が使うものです。「入試の核心」に含まれている問題のイメージは、「1対1対応の演習」の解法を2つくらい併せて使う問題です(全部ではないですが)。表紙をめくった所にも以下のように書いてあります。

・国公立 2 次、私立大の入試において数学を得点源にしたい受験生

・数学の演習量を増やしたい受験生

あくまで演習量(アウトプット)を増やしたい人が対象なので気をつけて下さい。標準問題の解法が身についていないと、かなり辛いです。

 

英語で例えるなら以下のようなイメージです。

1対1対応の演習:英文解釈

理系数学入試の核心:長文

英文解釈をやらなくても長文はある程度読めると思いますが、解釈の知識が0だと無謀です。

理系数学入試の核心(標準編)の対象者

上記のことを踏まえると、この問題集を使う人はかなり限られてきます。例えば以下のような人たちです。

・標準問題の解法は身についているが、予備校で扱う問題が志望校に合ってない

・予備校の前期で標準問題の解法を学んだので、夏休みにそれを使いこなしてみたい

・典型問題が出題される可能性が高い大学を受ける

ちなみに、「1対1対応の演習」が終わったら、さっさと過去問に入るべきです。なぜなら、普通はこの問題集をやってる時間がないからです。また、私立医学部で、この本に載ってるような典型問題はあまり出ません。

理系数学入試の核心(標準編)に収録されている問題数など

理系数学入試の核心(標準編)に収録されている問題数

本に書いてある通り、理系入試で頻出の典型問題が 150 題掲載されています。問題数は少ない方です。これは「1対1対応の演習」との違いの所でも述べたように、複数の知識を使う問題が多いからです。

仮に、1つの問題を解くのに2個の標準知識が必要だとすると、この問題集を使うことで合計 300 個の標準知識を確認できることになります。ですので、知識の確認をしたい人(=アウトプットの練習をしたい人)にとっては効率的です。逆に、この問題集で知識をつけようと考えてしまうと、1つの問題で2個も3個も分からない所が出てきて辛い思いをします。

理系数学入試の核心(標準編)に収録されている問題の特徴

個人的な意見ですが、私立ではなく国公立の問題に近い印象を受けます。私立医学部対策をしたい人には無駄が多いかなと思います。この問題集を解いてみた感想は以下です。

・証明問題が多い

・整数問題が少ない

・場合の数・確率はいい感じ

・図形は微妙

・図形と方程式は、国公立色が強い(記述でしか出されないだろう感じの問題)

・数列とベクトルも国公立力が強い

・式と曲線は無駄に難しい

・複素数平面、極限も国公立色が強い

・良い感じの問題と国公立色の問題が半々くらい

・解説は好きじゃない(笑)

「理系数学入試の核心(標準編)」のまとめ

・あくまで標準問題の解法が身についている人が使う問題集

・典型的な問題を多く出す国公立志望者には最適

・私立医学部志望者は基本的に手をだすべきではない。過去問をやろう

 

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