基礎問題精講のタイプ別使い方3パターンと具体的な使い方

この参考書レビューでは、僕がその参考書のほとんどの問題を解き、解説を読み込んだものがあるもののみ紹介しています。今回は旺文社の「基礎問題精講」です。「基礎問題精講」はネット上でも評判なので、この本を使おうかどうか迷っている人も多いのではないでしょうか?実際、使う人によっては医学部に適していると言えそうです。

また、基礎問題精講の使い方を間違えている人が大勢いますので、具体的な使い方を実際の例題を使ってお伝えします。

基礎問題精講を使った方が良い医学部受験者

手ごたえのある問題に挑戦するのは好きだけど、偏差値50台を抜け出せない人

昔の僕みたいな人ですね(笑)こういう人は、考える為に必要な道具が揃っていない場合が多いです。そして、こういう人がこの本で道具を揃えると一気に視界が開けます。ⅠA はやらなくても良いかもしれませんが、他の 2 冊はやる価値はあると思います。この人達は例題だけで良いでしょう。

入試で数学はそこそこ取れれば良いという人

英語と理科はよく出来るけど数学が苦手。入試では変な点数を取らなければ良いという人は、この本を極めれば総合点で合格が見えると思います。具体的には、どこを受けても合格最低点 -20点くらいはとれると思います。

ただし、その場合は演習題までこなして下さい。例題はすぐ答えを見てやり方を覚えてしまえば良いですが、演習題は少なくても 15 分は考えて解いて下さい。この本の演習題は例題の見た目を大幅に変えたものが結構な数あり、それらの問題は医学部の問題に近いです。ですので、本番だと思ってしっかり考え抜いて下さい。例題の数値だけを変えたような演習題なら飛ばしてOKです。

日大や東海のように偏差値換算されてしまうと厳しい戦いになるので気をつけて下さい。順天堂や慈恵医科など、問題が難しく合格最低点が低い大学を狙う場合は「基礎問題精講」だけで戦うのはありかもしれません。合格者でも数学は全然点数を取れていないはずです(上位合格者は除く)。その代わり、他の科目がきちんと点数を取れることが前提です。

考えて問題を解くという経験が少ない人

例題はだいたい解けるけど、考えて問題を解く訓練をしたことがないって人は演習題だけ解くのもありだと思います。例題で使う道具を確認して、1 問 15 ~ 20 分程度で問題を解いて下さい。どうやったら例題を使えるようになるのか?を考えるのは非常に重要です。

基礎問題精講を使う時の注意点

学校の授業でやったことの定着には向かない

「学校で微分を習ったから、基礎問題精講で微分をやろう」などとしてしまうと挫折する可能性が高いと思います。この参考書は初学者を対象にしていません。あくまで入試で重要かつ基本的なものを効率よく復習するための参考書です。

初学者を対象にしていないと言ったのは、1A の 127 番で \displaystyle p_n という表記を使ってるからです。この表記を習うのは数列です。1A しか習っていない人にとってはこの記号だけで混乱してしまいます。この問題自体はとても大切なのですけどね…高校1年生のかなりできる生徒も、この問題だけは全然理解できないと言っていました。慣れない記号というのは想像以上に問題を難しくさせます。

 

高校生であれば基礎問を買う必要はありません。以下のように勉強した方が網羅的に学べます。

・教科書をきちんと理解する(これで基礎を学べます)。

・教科書ガイドなどを使って例題と章末問題を解けるようにする。

・余裕があれば 4STEP などの教科書傍用問題集を解き進める。

「精講」「ポイント」「参考」は必ず理解する

基礎問題精講を、例題を解けるようにする為だけに使ってしまうと本来の効果が半減してしまいます。半減どころか時間の無駄になる可能性すらあります。数学のレベルを上げるためには以下を考えながら勉強していく必要があります。

・なぜその解法を選ぶのか?

・どんな原理が背後にあるのか?

そのヒントが「精講」や「ポイント」に散りばめられています。ですので、この部分を理解しないと、その問題が身についたことにならないのです。具体的な使い方は下記で紹介しています。

別解も身につける

センター試験のようなマーク式の大学がいくつかあります(獨協医科など)。そのような問題を解くということは、解法を大学側が指定してくるということです。ですので、複数の解き方がある問題に対して、一つのやり方しかわからないのは危険です

基礎問題精講の具体的な使い方

では「精講」や「ポイント」などを意識した勉強がどういうものなのかを実際の問題を使って紹介します。2 周目を勉強している状況だと仮定して下さい。1 周目はその問題をそのまま解けるようになっていればOKです。2 周目は頭を使います。

基礎問題精講ⅡBの例題 96 にこんな問題があります。

x>1 のとき、x^3-2x^2>x^2-3x+1 となることを示せ。

出典:基礎問題精講 例題96

この問題に対して、この本では微分を使って解答しています。しかし2 周目の人でそれしか思いつかないようでは例題 13 が身についていないのです。例題 13 の「精講」と「ポイント」に以下のようなことが書いてあります。

\rm A\geqq \rm B を示すときは、\rm {A-B}\geqq 0 を示す。

そして、(1) と (2) で平方完成と因数分解を用いた解法を学びました。ですので、例題 96 を見た時に以下の3つのやり方が思い浮かばないといけません。

・平方完成する(出来ません)

・因数分解する

・微分する

 

実際、左辺にまとめて因数分解してしまえば、

x^3-3x^2+3x-1=(x-1)^3

となるので日本語による説明を少し書いて証明終わりです。x に 1 より大きい数が入れば正の値になるのは当たり前ですよね?微分を用いるより圧倒的に速いです。これが「精講」と「ポイント」をしっかり読んで下さい、と言っている理由です。こういうことが出来ないと、医学部受験の数学を制限時間内で処理するのは難しいです。このように、「精講」や「ポイント」にあることを理解し、頭に入れて、それを軸に問題を解くことを徹底して下さい。そうすれば合格最低点-20点くらいは取れるようになるでしょう。久留米や金沢医科であれば合格点を取れます。

「基礎」と書いてあるわりに難しい

ⅠAの図形の範囲

慶応医学部のチューターが、こんなことを言ってました。「この参考書、基礎って書いてあるのに図形の範囲だけ難しくないですか?」慶應医学部に合格する力があっても難しいと感じるようです(笑)確かに証明ばっかでやりづらいです。値を求める問題を多くやりたい人は別の問題集を使っても良いかもしれません。

Ⅲは基礎ではなく標準

数Ⅲは理系しかやらないためなのか、基礎ではなく標準レベルです。上位4医学部以外の数Ⅲであれば、基礎問題精講1冊だけ十分に闘えます。

基礎問題精講の使い方のまとめ

・考えて解くことは出来るが、基本が全然ダメな人にはオススメ

・まだ時間がある高校生には不要

・「ポイント」や「精講」を身につけないと意味がない

・入試で数学は最低限出来れば良いという人は、基礎問題精講と過去問だけでOK

 

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