【高校数学】平方完成でわかる数学の勉強法の正誤

平方完成に関する知識で、数学の勉強法の正誤が分かることが多いなと最近よく思います。数学が出来ない(偏差値 55 以下くらい)人の多くは、勉強法を間違えています。以下の問題に答えることができるでしょうか?分からない人の多くは勉強法を間違えている可能性があります。こんなの分かって当たり前だと思う人は今の勉強法を続けて大丈夫だと思います。

問:x , y は実数とする。次の関数に最大値または最小値があればそれを答えよ(両方ともない場合もある、という意味です)

①:\displaystyle z=(x-1)^2+(y+2)^2+3

②:\displaystyle z=-(x-1)^2+(y+2)^2+4

③:\displaystyle z=(x-1)^2-(y+2)^2-5

④:\displaystyle z=-(x-1)^2-(y+2)^2-6

答えだけ確認したい人は、冒頭の問題の解答に飛んで下さい。分からない人は最初から読むことをオススメします。

平方完成で最大値や最小値が求まることへの誤解

「平方完成することで最大値や最小値が求まるのは何で?」と質問すると「グラフが描けるから!」と返ってくることがほとんどです。平方完成を習いたてならこれでも良いですが、受験生にもなってこれだと困ります。むしろ、数学の勉強方法を間違えています。このような勉強法だと必ず行き詰ります。その理由をお話します。ほとんどの受験生は以下のような問題を解いたことがあると思います。

問 \displaystyle z=x^2+3y^2+4x-6y+2 の最小値を求めよ。

答 2回平方完成すると \displaystyle z=(x+2)^2+3(y-1)^2-5 となるので最小値は  -5 である。

\displaystyle z=(x+2)^2+3(y-1)^2-5 のグラフを頭の中で描いているのかな?と思って生徒に聞いてみると、グラフを描ける人はいませんでした(笑)ちなみに、お椀のような形のグラフになります。多くの生徒の言い分は以下のようなものです。

生徒:「平方完成して残った数値を答えれば良いと思ってた」

僕:「気持ちはわからなくもない。んで、なんで最大値ではなくて最小値とわかるの?」

生徒:「問題文に最小値を求めよって書いてあるから」

僕:「もはや数学じゃないな(笑)」

このように、ある操作をして出てきた数字を答えにすれば良いと思ってる人は本当に多いです。こんなの数学の勉強をしているとは言えないですよね。ですので、勉強法が間違えていると断言しました。

平方完成で最大値や最小値が求まる原理

物凄く単純です。小学生でも理解できます。簡単のため、1変数にして \displaystyle y=(x-2)^2+1 を考えます。当たり前ですが、2乗した値は0以上になりますよね。ですので \displaystyle (x-2)^2\geqq 0 です。よって、今考えている関数は

\displaystyle y=(0 以上の値 \displaystyle )+1

となります。0 以上の値に 1 を足すのだから最小値、つまり一番小さくするなら  y=0+1 にすれば良いですよね。だから最小値が 1 なのです。グラフなんか関係ありません。単純な論理です。最大値はない、というのもわかりますよね。x には制限がない(定義域が実数全体)なので ( 0 以上の値) の部分はいくらでも大きくなれます。よって最大値はありません。グラフなんか考えなくても式を見れば明らかなのです。

冒頭の問題の解答

①:最小値 3、最大値なし

②:最小値、最大値ともになし

③:最小値、最大値ともになし

④:最小値なし、最大値 -6

間違えた人は、原理を読み、もう一度考えて下さい。原理が分かれば納得できるはずです。

応用問題で「考える」とはどういうことかを実感してみましょう

難しいことはしません。応用(≠難しい)問題で「考える」とはどういうことかを実感してもらうだけです。

問:\displaystyle z=(x-1)^2-(y+2)^2-5 の最大値と最小値を求めよ。ただし 2\leqq x \leqq 3  ,  -2\leqq y \leqq 4 とする。

式をよく見ると  z=(0 以上の値) +(0 以下の値)-5 となっていることが読み取れます。(注意:-(0 以上の値)を  +(0 以下の値) と読み替えました。)

最大値

最大値なので、( 0 以上の値) も ( 0 以下の値) も出来るだけ大きくすれば良いだけです。

( 0 以上の値):\displaystyle (x-1)^22 \leqq x \leqq 3 の範囲で大きくしようとすれば x=3 とすれば良いです。

( 0 以下の値):\displaystyle -(y+2)^2-2 \leqq y \leqq 4 の範囲で大きくしようとすれば y=-2 とすれば良いです。

以上より最大値は \displaystyle z=(3-1)^2-(-2+2)^2-5  z=-1 となります。難しくないですよね。

最小値

最大値と同じように考えれば、答は  z=-40 となります。

最後に

これが「考える」ということの一端です。「平方完成して残った数値が最大値か最小値」のようなことを覚えるのは「考える」とは言いませんし、こんなことやってて数学が出来るようになることはありません。原理がわかっておらず、単に操作を覚えてしまっていないか?を常に意識しながら勉強を進めて下さい。そうすれば基礎力がついていきますし、実力も伸びていきます。

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