【医学部予備校講師が教える!】国公立医学部と東大はどちらが難しいのか?



「(国公立)医学部と東大は同じ位の偏差値だから、医学部に行くためには東大に合格できるような勉強をしておけば良いのか?」

保護者の方によくこんな趣旨の質問をされます。僕は以下のように答えています。東大に向けた勉強をしていれば医学部に合格できます。でも医学部に行きたいだけなのであれば東大向けの勉強をする必要はありませんなお、以下で国公立医学部が指すのは琉球や大分、愛媛などの地方の大学です。京都や大阪、医科歯科のような難関国公立大学は含めません。

東大と国公立医学部の偏差値を比較

東大と偏差値が低い国公立医学部の比較

東大理科Ⅱ類:センター試験90%、偏差値67.5

大分大学医学部:センター試験84%、偏差値65

出典:河合塾の入試難易予想ランキング表 https://www.keinet.ne.jp/rank/

これだけ見ると、大きな違いはなさそうに見えますね。でもセンター試験の6%は54点なので大きな違いです。

東大と同じ偏差値の国公立医学部

・名古屋大学

・神戸大学

・九州大学

この3大学はセンター試験の点数も2次の偏差値も東大理科Ⅱ類と同じです。

東大より偏差値が高い国公立医学部

・京都大学:センター試験92%、偏差値72.5

・東京医科歯科大学:センター試験91%、偏差値70

・大阪大学:センター試験91%、偏差値70

偏差値に惑わされないで下さい

ひとまず、受験生と保護者が好きな(?)偏差値で比較してみました。偏差値だけで見ると東大はやはり難しいですね。でも、これだけで東大の方が入るのに難しいとは結論づけられません。人によっては東大の方が入りやすい場合もあります。理由は次の章でお話します。

国公立医学部と東大の違い

センターで決まる国公立医学部、2次試験で決まる東大

琉球大学

よく話題に上がる琉球大学を例にとります。琉球大学の配点は以下です。

センター試験:900点

2次試験:800点

1700点満点で、2018年の合格最低点は1349点(79%)です。センター試験の方が配点が高いので、ここで点数を離されると中々逆転できません。

・センター試験が75%だと、2次試験は674点必要

・センター試験が80%だと、2次試験は629点必要

・センター試験が85%だと、2次試験は584点必要

このようにセンター試験が10%違うと、2次試験で必要な点数が100点近く変わります。逆転がなかなか難しいことがお分かりいただけると思います。この年の2次試験の最高点が703点なので、センターで失敗しても逆転は不可能ではないですが、現実的ではありません。このように、センター試験で失敗すると挽回出来ないのが多くの国公立医学部の特徴です。

東大理科Ⅱ類

東大の配点は以下です。

センター試験:110点

2次試験:440点

550点満点で、2018年の合格最低点は311点(56.5%)です。センターと2次の比率からわかるように、東大は2次試験の力を重視しています。

センター試験で90%取ると99点

センター試験で75%取ると82.5点(足切りは考慮しません)

となり、16.5点の差にしかなりません。もちろん、東大のような難しい問題を課す大学で16.5点の差はかなり大きいです。しかし、5科目あるので平均して3~4点多く取れば良い、と考えれば逆転できそうだと思いませんか?逆に、16点くらいリードしてても安心なんて出来ませんよね。小問を3つくらい落としただけで並ばれてしまいます。このように、東大はセンターで多少失敗しても2次試験で挽回可能です

国公立医学部と東大の2次試験の違い

国公立医学部

国公立医学部は標準的な問題を出す大学が多いです。それは、ほとんどの国公立が他学部と問題が共通だからです。例えば琉球大学で難しい問題を出したら、他の学部の受験生が点数を取れなくなり、入試問題としての機能を果たさなくなる可能性があります。

上で述べた標準的とは以下のような問題です。

・多くの問題集に載っているような典型問題

・パッと見は難しそうだが、少しの変形や言い換えで典型問題に帰着するもの

極端なことを言ってしまえば、青チャートの例題を全て覚えれば解けます(笑)言い方を変えれば、努力がきちんと点数に反映します。他の科目も同様です。このように、標準的な問題を出すから高得点勝負になるのが国公立医学部です。

東大

難しい問題が沢山ありますので、高得点勝負にはなりません。数学関して言えば、見たことあるような問題はほとんど出ません。その場で試行錯誤することが求められます。なので、青チャートなどの例題が全部解けても、東大の問題に手が出ない人もいるかもしれません。表面的な理解だけでは意味ないよ、本質を捉えましょうというのは東大が正式に発表しているメッセージです。

様々な問題を数学で扱うには,問題の本質を数学的な考え方で把握・整理し,それらを数学の概念を用いて定式化する力が必要となります。このような「数学的に問題を捉える能力」は,単に定理・公式について多くの知識を持っていることや,それを用いて問題を解く技法に習熟していることとは違います。そこで求められている力は,目の前の問題から見かけ上の枝葉を取り払って数理としての本質を抽出する力,すなわち数学的な読解力です。本学の入学試験においては,高等学校学習指導要領の範囲を超えた数学の知識や技術が要求されることはありません。そのような知識・技術よりも,「数学的に考える」ことに重点が置かれています。

出典:東京大学 https://www.u-tokyo.ac.jp/ja/admissions/undergraduate/e01_01_18.html

各科目で本質的なことが求められるので、特定の科目が全然出来ない人も合格しています。次のデータをご覧下さい。Z会の東大入試・得点分布一覧(2014年)東大合格者の中にも特定の科目が全然出来ない人が存在しています。1番下の行をご覧下さい。

英語:56点(120点満点 合格者平均78点 不合格者平均68点)

数学:39点(120点満点 合格者平均58点 不合格者平均37点)

国語:16点(80点満点  合格者平均35点 不合格者平均34点)

化学:17点(60点満点  合格者平均38点 不合格者平均30点)

(ある合格者がこの点数だったのではありませんので注意して下さい。科目ごとに点数を高い方から並べていっただけです)

このように、各科目で本質の理解が問われるので、全ての科目でバランスよく点数を取るのは並大抵のことではありません。それゆえ、高得点勝負にはならず、ある科目が全然出来なくても合格できる可能性があるのが東大です。

まとめ

国公立医学部

・センター試験で高得点が要求され、失敗すると挽回は難しい

・2次試験は標準的な問題をミスなく取ることが要求される。

・かなりの苦手科目があると厳しい

 

東大理科Ⅱ類

・センター試験で失敗しても挽回可能

・2次試験は本質を理解しているかが問われるので、得点しづらい問題が多い

・かなりの苦手科目があっても他で取れれば問題ない

以上のことから僕は「東大に向けた勉強をしていれば医学部に合格できます。でも医学部に行きたいだけなのであれば東大向けの勉強をする必要はありませんと考えています。東大に焦点を当てて、どの科目も本質を学べばそれが1番良いですが、学校の先生のレベルが低いなどで、その機会が得られないがない人もいると思います。その人たちが独学で本質を捉えた勉強をするのは難しいと思います。しかし、標準的なことを出来るようにするだけならば、学校の授業と参考書で何とかなる場合が多いです。

それに東大の英語は英作文や要約があり、かなりの英語力と国語力を要求されます。これらが自分にはオーバーワークだと感じる人もいると思います。それなら、さっさと自分と相性の良い国公立医学部を見つけ、そっちの対策に専念する方が得策でしょう。






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