「総合的研究 記述式答案の書き方」軌跡の「逆に」で悩む人は必読!



数学の記述が不安だ、という人は一読する価値があります。また、将来記述の入試を受ける人も読んでおいて損はないでしょう。また、軌跡の問題で解答に「逆に~」の記述があったりなかったりします。以下を知りたい方は読むべきです。

・この記述がなぜ必要なのか

・どういう書き方をすれば良いのか

・書かなくて済む方法はあるのか

 

また、模試で減点されていない人も要注意です。模試の採点基準は緩すぎます。あれが標準だと思わないで下さい。クレームを受けないように、出来るだけ点数を与えるように採点しています。実際、毎年行われている「大学入試懇談会」という会で以下のような発言がありました。

予備校の模試の採点は、本番に比べると極めていい加減である。実際は、論理力・表現力を重視して採点しているので、単純にここまでで何点というものではない。

出典:受験の月 https://examist.jp/mathematics/general/scoring-system/

 

さて、2020年でセンター試験が終わり、2021年から共通テストが始まります。そして、数学は記述問題が課せられます。2021年は記述ではなく、数式を書かせるという方針に変わったようですが、対策はなるべく早目からしておくべきでしょう。

出典:日本経済新聞 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO47324660S9A710C1CR8000/

 

著者はお二方とも開成高校の教諭です。

数学を勉強する時に記述で答案を作成するべきか?

どの先生、大学教授、塾講師、予備校講師に質問しても、記述で作成するべきと言われるはずです。私立医学部ではマークセンス式がほとんどです。しかし、それは記述が不要という意味ではなく、単に採点作業が大変だからでしょう。本当は記述にして受験生の学力を正確に判断したいが、やむなくマーク式にしている大学がほとんどだと思います。どこかの大学で、受験生に求めることの中に「数学の記述力」とあるのにマーク式の所があったのですが、どこだったっけな・・・

なぜ記述で答案を作成するのが大切なのか

数学の力を向上させるためです。数学は論理の学問です。論理に強くなれば、数学は出来るようになります。もちろん、解法の暗記も必要です。しかし、解法暗記に走り、論理を蔑ろにしている人で数学が出来るようになった人は見たことがありません。もっと言えば、論理的に正しい答案は作成出来ないが数学は出来る、という人には出会ったことがありません。

 

では、論理に強くなるためにはどうすれば良いのか?訓練するしかありません。論理的に正しい答案を作成することを意識して勉強することで、細かい論理に敏感になり、論理に強くなる。その結果として数学の力が伸びていく場合がほとんどです。答えが合ってるからと言って、論理を追わない人は伸び悩むことになります。

「総合的研究 記述式答案の書き方」の内容について

「総合的研究 記述式答案の書き方」のレベル

偏差値が 50 に満たない人でも読めるように丁寧に書かれています。数学の勉強が進んでいない人、これから本格的に勉強を始める人も手元に置いておいた方が良いと思います。これに書かれている通り、日本語の論理に注目して勉強していけば、自己流で進めていくよりは効率的に力がつくはずです。

「総合的研究 記述式答案の書き方」を読んだ方が良い人

p.55にこんな問題があります。

0 でない実数a, b, c

\displaystyle a+b+c=1 ,   \frac{1}{a}+\frac{1}{b}+\frac{1}{c}=1

を満たすとき、a, b, c のうち少なくとも 1 つは 1 に等しいことを示せ

 

この問題に対して以下のように書き始めると 0 点をくらう場合があります( 0 点にされても文句は言えません)

不適切な答案 1

a, b, c のうち少なくとも 1 つが 1 に等しいので

\displaystyle (a-1)(b-1)(c-1)=0

であるから、この等式が成立することをいえばよい。

 

不適切な答案 2

a, b, c のうち少なくとも 1 つが 1 に等しいとすると

\displaystyle (a-1)(b-1)(c-1)=0

となるはずなので、この等式が成立することをいえばよい。

さて、どこが論理的にダメなのかわかりますか?わからない人は本書を読むべきでしょう。

 

話はそれますが、こういう所をきちんと採点できる人はかなり少数だと思います。僕も自信はありません。なので、共通テストの記述は先送りになったのでしょうね。勝手な想像ですがおそらく、東大生であっても半分より下の人達では数学の採点は無理だと思います。もちろん採点基準を緩くすれば良いのでしょうが、そうすると記述式にする意味がありません。また、共通テストが採点基準を公表すると、それが大学入試のスタンダードだと捉えられてしまう可能性があります。不適切な記述に点数を上げることは、色々と不都合が起きそうです。何を考えてるんでしょうね、文部科学省は。

数学の指導者は読むべきです

共通テストに論述が含まれるので、指導者がいい加減な言葉遣いをしていると、生徒が害を被ってしまいます。また、指導者も記述に関しては自信がなかった人が多いのではないでしょうか?僕も自信はありません。しかも、今までは記述に関して、しっかり書いてあった本はほとんどなく、勉強しづらかったと思います。しかし、この本が出た以上、しっかりとした記述を教えないのは指導者の怠慢になってしまいます。生徒に論理の間違いを指摘されることがないよう、しっかり勉強していきましょう。

その他・補足

同じ総合的研究シリーズに「論理学で学ぶ数学」という本があります。

この「論理学で学ぶ数学」は厳密にやっており、収録されている問題も骨があり、読むのはとても大変です。こちらの本で挫折した人は「記述式答案の書き方」を間に挟んでみると良いかもしれません。

軌跡を求める時に「逆に」で悩んだ人は必読!

これは僕も受験生時代に悩んだ記憶があります。問題集によっては書いてなかったりしますし。同値変形を学んでからは、書く必要がなくなったので書いていませんし、実際、書かなくても減点されないような気はします。でも減点されても文句は言えないので、難しいところです。そんな悩みに終止符を打ってくれるのが、この参考書です。受験生時代に欲しかった(笑)

 

11章で 7 問も扱ってくれています。各問題に対して以下を挙げてくれています。

・不十分な答案

・ちゃんとした答案

・同値変形を使った答案

しかも、不十分な答案に対しては、どこがどう不十分なのかも懇切丁寧に説明してくれています!論理を大切にして書いてあるので、ぱっと読んですぐ納得することは難しいと思います。しかし、1~10 章の間で論理の使い方を丁寧に教えてくれていますので、根気があれば読み通せます。

「総合的研究 記述式答案の書き方」のまとめ

・軌跡の「逆に」で悩む人は読みましょう

・記述試験で減点されたくない人は読む価値あり

・数学の答案で論理がよくわからない、と注意される人は読みましょう

・数学が苦手な人にもとっつきやすく書かれています

・数学の指導者も読むべきだと思います






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