【高校数学】数学の論理を具体的な問題を通して学ぶ

今回は論理のお話です。論理を体系的に紹介できるほどの知識はないので、具体例を通して少しずつ紹介していこうと思います。

 

数学を学ぶ上で論理は必要です。英語に例えると

解法 ⇔ 単語

文法 ⇔ 論理

となります。英語において、単語は知ってても文法がわかっていなければ文章なんて読めませんよね?数学も同じです。解法を覚えるのは大事ですが、論理がわかってないと、ほぼ意味がない勉強になってしまいます

 

必要条件とか十分条件の話だけではありません。やって良いことと悪いことの区別が全然ついていなくて数学が出来ない人が本当に多いです。

 

さて、では論理がものすごく苦手な生徒(A君とします)がやってしまった具体例を見ていきましょう。かなり簡単なものも含まれていますが、ご了承ください。

 

記憶に頼りすぎて論理を追えない

問題 1:\displaystyle f(x)=\frac{2}{x^2-2x+2} の最大値を求めよ。

答:分母の最小値は 1 だから最大値は 2 である。これはOKです。分母が小さいほど全体は大きくなりますもんね。しばらくして、こんな問題を出しました。

 

問題 2:\displaystyle g(x)=\frac{x}{x^2-2x+2} の最大値を求めよ。

A君の頭の中「この前どうやったっけ?思い出した!分母が小さいほど全体は大きくなるんだった」

誤答;分母は x=1 の時に最小となる。よって最大値は g(1)=1

 

これは全然違います。分子が定数なのか、変数なのかによって話は変わってしまうのです。ここはきちんと納得しておきましょう。理解を伴わない、しかも部分的な暗記は本当に何の役にも立ちませんよ!

 

ちなみに、正しい答えを得るには

・相加相乗平均の不等式

・微分

のどちらかをお使い下さい。分数関数の最大や最小を求めたい場合の第一候補は相加相乗です。

 

必要十分条件はなぜ大事なのか(同値変形について)

Case1

\displaystyle f(x)=\int_{-x}^{x+4} \frac{t}{t^2+1}dt とするとき、\displaystyle f(x)=0 となるx の値を求めよ。

 

という問題に対して、A君は

「インテグラルの上下が一致するとき0だったな、だから \displaystyle x+4=-x を解いて \displaystyle x=-2 だ!」

答は正しいのですが、論理的にはまずいです。つまり、記述の試験でこんなことを書くと確実に減点されます。これのどこが問題なのでしょうか?

 

 

 

 

 

 

 

十分条件しか考えていないので減点されてしまうのです。

\displaystyle x+4=-x \Rightarrow f(x)=0」 は確かに真です。

では逆の「 \displaystyle f(x)=0 \Rightarrow x+4=-x 」は真なのでしょうか?もし真ならば、真である理由を書かないと満点はもらえません。

 

知らされていない方も多いと思いますが、数学で「求めよ」と言われたら、それは「必要十分条件を求めよ」という意味です。十分条件だけ考えて答を出しても減点されてしまいます。

 

ですので、今やっている変形は同値変形なのか?十分変形なのか?必要変形なのか?を常に考えないといけないのです。そのために数学Aで論理を学んだのです。この辺りが数学が独学では厳しいところだと思います。

 

独学でやっている人は出来るだけZ会などを利用することをオススメします。もちろん、同値変形に慣れている人は不要なのですが、そんな人はなかなかいないと思います。

 

Case2

もう1つ同値変形に関して簡単な失敗例を。

\displaystyle x=1

\displaystyle x^2=1

\displaystyle x=1,-1

\displaystyle x=1 から始めたのに、いつのまにか \displaystyle x=-1 も増えてしまいました。同値変形に意識を置いておかないと、こんなことが良く起こります。

 

原因は一行目から二行目が同値変形ではなく、十分変形だからです。

「一行目ならば二行目」は成り立っていますが

逆の「二行目ならば一行目」は成り立ちません。

このように、十分変形をしてしまいますと、邪魔なものが増えます。ほとんどの人が経験があるのではないでしょうか。

 

毎回「この変形は同値なのか?」を考えるのは大変です。しかし、やるしかありません。本番で迷わないために普段の勉強でしっかり考えておく必要があります。

 

Case3

問題

整数 a に対して

\left\{ \begin{array}{1}x^2+xy+y^2=7a-7\\ x^2-xy+y^2=a+11 \end{array}

を満たす実数 x, y を考える。このとき
\left\{ \begin{array}{1}x^2+y^2=4a+2\\ xy=3a-9 \end{array}
であるから
\left\{ \begin{array}{1}(x+y)^2=10a-16\\(x-y)^2=-2a+20 \end{array}
が成り立つ。x, y がともに実数となる a の範囲を求めよ。

A君の答え

x, y が実数になるためには x+yxy を解とする二次方程式 t^2-\sqrt{10a-16}t+3a-9=0 が実数解を持てば良いんだったな。

判別式  D\geqq 0 を解いて a \leqq 10 が答えだ!

 

残念ながらこれは間違えています(完璧な答えではありません)。どこが間違えているかわかりますか?

 

 

 

 

 

 

 

x, y が実数

\Leftrightarrow x+y , xy が実数

\Leftrightarrow \displaystyle t^2-(x+y)t+xy=0 が実数解を持つ

が正しい同値関係です。A君は x+y が実数であること、つまり 10a-16 \geqq 0 を考えていなかったのです。正しい答えを出すには論理をおろそかに出来ない、というのが良くわかる1問だと思います。

 

問題文を全然読んでない(気にしていない)

問題文をあまり読まずに、式だけを見て問題を解き出す人が大勢います。そして、そのような人たちは例外なく数学の実力は低いです。なぜなら、数学は問題文によって答えが変わるからです。例えば

x^2>a

これだけ見て、この問題が解けると思った人は数学が全然できない人です。数学が出来る人たちは「これが何?」や「これだけだと何も答えられない」のような反応をするはずです。

 

この不等式には少なくても以下の3種類の解釈が存在します。

①: x の2次不等式 \displaystyle x^2>a を解け。

②:任意の実数 x に対して、\displaystyle x^2>a となるような条件を求めよ。

③:\displaystyle x^2>a となる実数 x が存在するための条件を求めよ。

 

答えは全て異なります。なので、最初にも言ったように、不等式だけ見せられても答えられないのです。ちなみに、答えは以下のようになります。解説はしません。誰か周りの人に聞いてみて下さい。

 

①:a>0 のとき \displaystyle x>\sqrt{a} など

②:a<0

③:a は任意の実数

 

数学が苦手だと言う人ほど、日本語の違いに鈍感です。二次不等式を見たら公式に突っ込んで答えを求める、こんなことをいくらしても実力なんて上がりません。問題文をきちんと読みましょう。その上で、今何をすれば良いのかを考えるのです。

 

記述で答案を作る時に式だけしか書かない人がいますが、採点者に全く伝わらないことがわかっていただけますか?逆に言えば、こういう細かい所まできちんと勉強するために、普段から記述式で答案を作ることが大事なのです。

 

 

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