【書評】医学部合格の必勝方程式を読んだ感想(2017年度版)

メディカルラボの可児さんが書いた本です。勉強の仕方に関して知りたいのであれば『医学部受験の叡智』を読むべきです。医学部の受験制度や実情を知りたい人はこの本を読んでみても良いかもしれません。前書きのところに、医学部には「必勝方程式」がある、と書いてあるのですが、競争試験に必勝はありません。メディカルラボの医学部合格率が100%だなんて聞いたことないですし。こういうことを平気で書く神経はどうかと思います。

目次

第1章 医学部合格の「必勝方程式」

合格関数=学力×反映率×戦略

らしいです。さらに

学力=正しい勉強法×勉強時間×やる気

であり、多くの受験生は正しい勉強法が出来ていないとおっしゃっています。これは僕も同感です。

 

また、ミスを軽く考えてはダメだということを、実際の入試で1点の中にどれだけいたのかのデータを使って教えてくれています。これは非常に有益なデータでした。さらに、緊張した時の解消法を書いてくれています。僕は塾講師なのですが、緊張するので人前に出るのが嫌いです(笑)それくらい緊張しやすいタイプなのですが、入試の時は全く緊張しなかったんですよね。始まる前は多少緊張するのですが、試験始まったら考える事多すぎて緊張する暇なくない?といつも思ってます。

第2章 医療の現状と医学部合格への道

大学が求める学生像とは

多くの大学が求める学生像(大学のHPに載っています)を紹介し、なぜそれらが大事なのかを具体的に教えてくれています、また、「なぜ医学部に入りたいのか?」を常に考えることが大事であると書いています。それを考えることにより以下のような効果があるからです。

・モチベーションの維持

・面接や小論文の時に役立つ

これは僕も大事だと思います。さらに、「医学部の面接」という本を読んで、自分ならどう答えるかな、と考えるのはとても重要だと思います。答えを覚えても意味はないので、1問につき1日や1週間かけてみるのも良いと思います。

日本の医療が抱える問題を知っておこう

地域医療や医師不足がどのような問題を引き起こしているのかを具体的な数字を使って教えてくれています。知らない人は読んでおくと面接などで役に立つかもしれません。

近年の医療現場は著しく変化している

医学部ではコミュニケーション能力が重視されていますが、それは何故なのかをチーム医療を例に挙げて解説してくれています。これも知らない人がいれば一読の価値はありそうです。

社会が求める医師像と医師に求められる資質

有用な情報はあまりないかもしれません。

第3章 合格を確実に引き寄せる医学部受験の必勝法

医学部受験は”情報戦”情報を制する者が受験を制する

医学部は情報戦とあちらこちらで聞きます。僕は医学部受験は学力戦だと思うのですがどうでしょうか?”情報戦”と言う人はただの商売人にしか思えないのですが・・・もちろん、ある程度の情報は必要です。

・合格最低点

・小論文の傾向

・各科目の傾向

・面接のおおまかな内容

少なくともこれくらいは押さえておく必要があると思います。でもこれらを知っても学力がなければ合格には近づけませんよね。しっかりとした学力があれば、過去問をやる時期にちょっと調べれば十分だと思います。でも地域枠での大逆転方法の情報は初耳でした。この本を読んで良かったと思いました(笑)センターで80%を大幅に下回っても合格した方法は知っておいた方が良いかもしれません。でも、それも簡単ではないですよ。熱意と根性は絶対に必要です。

教科ごとに傾向をつかんで効率的に勉強しよう

この章では各科目の勉強の仕方が書いてあります。また、「過去問に始まり、過去問に終わる」とあり、『医学部受験の叡智』と同じスタンスです。数学の勉強法だけ抜き出してみると以下が大事とあります。

・早目に基礎学力をつける(8月末が目途)

・1つの問題に対して複数のアプローチを比較・検討することが必要

・基礎→過去問→演習→過去問の順にやる

・早めに過去問を分析し、志望校に絞った対策をとる

2番目は重要ですね。これが1人では勉強しづらいのが数学の難しいところです。この本では当然、メディカルラボに通うことを勧めています(笑)別解研究をする場合は『やさしい理系数学』か『大学への数学シリーズ』しかないような気がします。

私立大は、受験者数や合格ラインを左右する要因に着目しよう

どんな条件で受験者数が上下するのかを説明してくれていますが、個人的にはどうでも良いと思ってます。

国公立大は試験科目と配点の変更に注意しよう

ここもどうでも良いかな、と思います。

試験科目は同じでも配点の変更が大きな意味をもつ

配点を考えずに入試に突っ込む人はいないだろうから、やはりどうでも良いかなと思います。

”相性のいい大学”を見極めて合格の可能性をあげよう

これは大事ですね。偏差値だけでしか見ない人が本当に多いのです。過去問は出来るだけ多くの大学を解いてみて、相性がいい大学を探すのはやってみるべきだと思います。極端な例では過去の生徒でこんな成績の子がいました。

東京医科:4割程度

東邦:7割強

同じ様な偏差値ですが、取れる点数はこんなに変わります。この子は最終的には東邦に進学しました。また順天堂や慈恵は難しい大学ですが、合格最低点はそんなに高くないのでチャレンジしてみるのはありだと思います。

 

例えば順天堂は英語と理科が出来れば合格の可能性は高いです。過去の生徒で有名国立高校から現役で順天堂に合格した生徒がいました。その生徒は英語はかなり良くできたのですが、数学はそんなに得意ではなく、本番でも3割くらいしか解けませんでした。それでも正規合格です。慈恵も問題は難しいですが、合格最低点は5割くらいの年もあります。敬遠せずにひとまず過去問を解いてみる価値はあると思います。

第4章 効率的なスケジュールで最大限の効果を引き出す

限られた時間で確実に効果を出すには”無駄な回り道”は許されない

合格を勝ち取るためには、医師になりたい気持ちを強く持つことが必要。これは本当に大きいと思います。医学部受験は何故か途中でメンタルをやられる生徒が多いです。前の塾ではそんな人全然いなかったので不思議だと思っていました。おそらく原因は、本当は医師になりたいなんて思ってない、という所にあると思います。あくまで予想です。

 

周りが医者なので医者を目指しているという人に多いですね。後は親に医者になれと言われ続けてきた人も。医学部は入るにも厳しいですし、入ってからも厳しいです。そして医者になってからも大変です。それでも耐えられるのは、本当に医者になりたいという強い気持ちを持っているからでしょう。そんな気がします。

合格のために、まずは1日のスケジュールから見直そう

早寝早起きは大事かもしれません。

ゴールまでの時間を計算して年間スケジュールを立てよう

スケジュールの立て方を教えてくれています。気になる人はどうぞ。

第5章 合格を勝ち取るための学習方法

着実に学力をつける参考書と問題集の選び方

良い事が書いてあります。参考書の選び方がわからない人は立ち読みでも良いので読んでみるべきだと思います。

1年間で大きな差がつく学習方法と場所選び

・一人での学習は応用力が身につかない

・トータルな指導が受けられない家庭教師

・黒板や白板がないと、身体で記憶できない

・指導に限界がある集団授業

 

1つ目だけ疑問符がつきますが、残りはわかります。家庭教師をつけていたり、集団授業を受けていて実力が伸び悩んでる人は読んでみてみると良いかもしれません。一応伝えておきますが、メディカルラボへ誘導されます(笑)

医学部合格のための予備校選びの注意点

・基礎を重視しない予備校や講師は避けるべき

・チューターのサポート体制

 

これは両方とも真っ当なことを言っていると思います。ただ「基礎力が大事」という言葉を見ていつも思うのですが、誰も基礎力を定義してくれません!そろそろ誰かやってくれよ、と思います。また、チューターの皆さんにはいつも感謝しております(笑)やはり年が近いし、実際に医学部に合格した人たちの生の声は説得力が違います。そして、意外に抜けている所もあるので、生徒がよく懐いてくれています。

逆転合格を可能にする戦略の立て方

しっかり過去問研究しようぜ、って感じです。

学習効果を高める自習の進め方

授業を受けっぱなしにせず、必ず自習して学んだことを定着させようってことです。当たり前ですが大事ですね。

保護者は受験生を見守ってあげてください

あまり口出しせず、我慢して下さい。そして良い親子関係を築きましょう。

まとめ

・勉強方法は『医学部受験の叡智』には及びません

・医学部の情報を得るには良い本だと思います

・医学部受験がどういうものかさっぱりわからない人は読んでみる価値はあるかもしれません

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