【医学部予備校講師が教える】高校数学・教科書の使い方!




医学部・数学が苦手な人のための勉強法まとめ!でおおまかな内容は書きました。ここではもう少し具体的に書きます。大事なことなので最初に言っておきますが

教科書をやらずに定評のある問題集に手を出したり、塾に行くのはお金と時間の無駄ですよ!

 

医系予備校で働いてて疑問に思っていること~なぜ教科書の知識が抜けているのか~

僕は浪人生を相手にすることが多いです。その中でよく疑問に思うのが、理系最高峰の医学部を目指しているのになんで教科書の知識が抜けている人がこんなに多いのだろう、ということです。

 

皆さん、中学受験か高校受験はしましたよね。思い出して欲しいのですが、数学(算数)の教科書にある例題や章末問題って難しかったですか?

 

ほとんどの人はそんなことなかったと言うと思います。何問かはつまづく問題があったと思いますが、教科書の問題なんて簡単でつまらない、と感じていた人の方が多数でしょう。そして、塾などで骨のある問題をこなしていたと思います。

 

では、医学部を目指している皆さん、高校の教科書の問題ちゃんと解けますか?満足に解けないのに、医学部専用の塾に行ったり、定評のある問題集を解こうと考えるなんて順番がおかしいと思いませんか?

 

もちろん、教科書がわからなくて学校の先生もよくない、という状況なら、すごく分かりやすく書いてある参考書に手を出すのはわかります。でもあくまでそれは補助的なものです。まずは教科書を完璧にする勉強が正解です。

 

教科書での勉強をオススメする理由

当たり前ですが、大学入試には試験範囲があります。数学の試験範囲は教科書全体です(数学Bの「確率分布と統計的な推測」は除かれる場合が多いですが)。東大の問題といえど、教科書外の知識が求められることはありません。それなのに、教科書で勉強しないなんておかしくないですか?

 

東京大学のHPに「高等学校段階までの学習で身につけてほしいこと」というページがあり、数学の所にはこんなことが書いてあります。

様々な問題を数学で扱うには,問題の本質を数学的な考え方で把握・整理し,それらを数学の概念を用いて定式化する力が必要となります。このような「数学的に問題を捉える能力」は,単に定理・公式について多くの知識を持っていることや,それを用いて問題を解く技法に習熟していることとは違います。そこで求められている力は,目の前の問題から見かけ上の枝葉を取り払って数理としての本質を抽出する力,すなわち数学的な読解力です。本学の入学試験においては,高等学校学習指導要領の範囲を超えた数学の知識や技術が要求されることはありません。そのような知識・技術よりも,「数学的に考える」ことに重点が置かれています。

出典:https://www.u-tokyo.ac.jp/ja/admissions/undergraduate/e01_01_18.html

 

手持ちの問題集を見て欲しいのですが、そこには大体こんなことが書いてあります。

「入試で頻出の問題を集めた」「よくでる問題を集めた」

 

これは、「あまり出ない問題は削ってます」ということです。教科書に載っていても省かれてしまう問題は結構あります。まとめにも書きましたが、「オイラーの多面体定理」はほとんどの問題集には載っていませんが、聖マリアンナ医科大学の2017年に出題されました。

 

教科書に載ってるものを省いてしまう、そんな勉強法で理系最高峰の医学部に合格出来るなんて考える方がおかしいですよね。

 

教科書に書いてあることなら全てわかる。それでも過去問で点数が取れないから参考書や問題集を買ってみよう、もしくは塾に行ってみよう、というのなら話はわかります。

 

せっかく学校で授業を受けているのですから、まずはそれをフル活用して下さい。先生の解説や教科書がわかりにくかったら教科書ガイドを使ってみましょう。それでもダメだった時に参考書や塾に頼りましょう。

 

教科書で勉強する際の注意点

教科書は1回読んだだけじゃわかりません!

教科書に書いてあることが一発でわかることはありません。これも忘れないで下さい。

 

過去の生徒で、開成から東大理科一類、桜蔭から東大文科一類という本当に良く出来た生徒がいました。このレベルの生徒でも、新しく習ったばかりのことがすぐに身につく、ということはありませんでした。僕たちと同じように、簡単な問題を使って、慣れて、当たり前に使えるようにする、そんな努力をちゃんとしていました。

 

数学がわかっていく過程は、以下のような流れです。

①:定義や公式など新しいことを学ぶ。この時点ではほとんど身につかないはずです

②:具体的な問題を通して、公式に慣れる。必要なら教科書傍用問題集を使用

③:公式や問題の解き方が身についたら、公式の証明や定義をもう一度確認する。

 

③を忘れないで下さい。教科書が終わって標準問題に行った後も適宜教科書に戻りましょう。そのたびに新しい発見があります。それくらい教科書に書いてあることは難しいし、深いものなのです。

 

問題を解くことに囚われないように!

「教科書を常に手元において勉強して欲しい」と伝えると、例題や章末問題を解くことだけに囚われてしまう人が多いです。この間も生徒とこんな会話がありました。

 

生徒「数Bのベクトル読み終わって問題もばっちりです」

僕「平面の方程式の一般形と法線ベクトルを教えて」

生徒「発展事項だったし、入試にもあんまり出ないと(前の予備校で)聞いたのでやってません」

僕「何のために教科書やってんねん(笑)」

 

生徒「教科書で三角関数のところ読み終わりました」

僕「周期の定義は?」

生徒「え、そんなこと書いてありました?」

僕「(教科書を開いて)ここに書いてあるよね」

生徒「こんな細かい事聞くなんて意地が悪いですね(笑)」

僕「数学やってるやつはだいたい意地が悪いんだよ(笑)」

 

こんなことが本当によくあります。皆さんも注意して下さい。繰り返しになりますが、なぜ教科書をやってるのかと言えば、教科書が試験範囲だからです。教科書に載っている知識で知らないものがあり、そのせいで問題が解けなくなることは本当に沢山あります。

 

もちろん、問題の解法は標準的な問題集で補う必要がありますが、定義や知識などは教科書が全てです。念のため注意しておきますと、教科書に載っていない公式や定理などを記述の入試で使うと減点される可能性が高いです。

 

数学Ⅲの教科書にはごまかしが沢山あります!

医学部に進むならあまり気にする必要はないのですが、数学Ⅲの教科書にはごまかしがあります。ですので、皆さんが「なんか騙されてる気がする」と感じたら、それは鋭い感性の持ち主です。

 

ごまかしを排除したいとなれば、検定外の教科書を使うか、理系に強い塾(東京なら、SEGVERITAS大数ゼミなど)に行く必要があります。しかし、ごまかしを排除しようとすると複雑になり、しかもあまり役に立ちません(笑)なので、そこまで気にしなくて良いと思います。

 

将来、科学の理(ことわり)をきちんと学びたいという人であれば、やっておくと大学に行ってから楽です。大学で学ぶのは本当の意味で基礎的(=全くごまかすことなく1から論理を組み立てること)ですので、これを入学前にやるのとやらないのでは、入学後にかなり差がつく可能性があります。

 

安田亨先生の「崖っぷちシリーズ 数学Ⅲの微分積分の検定外教科書」はごまかしている所を指摘くださってるので有用かもしれません。

 

大学側が教科書を大事にして欲しいと考えていることの根拠

東海大学の学校案内パンフレットを請求すると以下の冊子が付属します。

この冊子の最後に「傾向と対策」という項目があります。

数学の所には以下のように書いてあります。

大学側も「教科書を繰り返し読んで、基礎学力を養って欲しい」と言っているのです。教科書を大切にしない受験対策に意味がないことがお分かり頂けるでしょうか。

 

公式にこんなことを発表しながら、やたら難しい問題が出題されることはあるんですけどね(笑)おそらくほぼ全員が解けないだろう、というのを分かって出しているはずです。きちんと意味があるのですが、その理由は「医学部受験の叡智」に書いてあります。

 

教科書傍用問題集の使い方

問題に慣れるために使う

全ての問題を解く必要はありません。もし、読者の方が高校1年生などで多くの時間を勉強に充てられるのであれば全部解いてもいいかもしれませんが。

 

それよりは、新しく習ったことに慣れるために教科書傍用問題集を使って下さい。例えば、皆さんは平方完成を当たり前のように出来ると思います。でも習った当初はなかなか計算に慣れなかったですよね。今、当たり前のように出来るのは、数をこなしたからですよね。誇張ではなく1000回はやってるでしょう。

 

このように、慣れるためには数をこなす必要があります。ですので、時間がかかってしまう単元や問題があれば教科書傍用問題集を使って数をこなしましょう。間違っても全部解こうなんて思わないで下さいね!

 

ちょっと難しい問題(B問題みたいなやつ)をやるにしてもアスタリスクのついている問題だけで十分だと思います。アスタリスクのついている問題がスラスラ出来るようになれば、ついていない問題にチャレンジしても良いと思いますが、そこまで時間が取れる人はなかなかいないのではないでしょうか。

 

知らないことがないかのチェック

例えば、平均値の定理を教科書か何かで勉強したとします。そうしたら教科書傍用問題集で平均値の定理の所を見てみて下さい。パッと見だけで構いません。解く必要はありません。

 

そこで、全然知らなかった使い方がないかどうかをチェックして下さい。問題を見て、「え、これ平均値の定理使うの?」っていう問題があったら成長するチャンスです。こうやって知識の抜けを埋めていきましょう。

 

教科書の次に取り組むのは標準問題集

教科書の次に取り組むべきは「1対1対応の演習」をオススメします。標準的であれば、だいたい何でも良いので、他に好きな問題集があれば、それで構いません。ただし、標準的な問題集で何を学ぶかはハッキリさせておきます。

 

標準問題集で身につけるべきこと①:新しい解法

教科書だけでは、解法が不足しています。でもそれは「教科書が身についていたら、ちょっと考えればわかるけど、入試の現場で初めて出会うと混乱しそうだから、問題集でやっておこう」という感じです。

 

こんな感じですが、標準問題集を進める場合、初見ではほとんど解けないと思います。ですので、例題は3分ほど考えてわからなかったらさっさと答を見ましょう。そして、何も見ずに解けるようになるまで、ノートに繰り返し解きましょう。時間を空けての復習も忘れずに!

 

合格の天使・医学部受験の叡智」に書いてあるのですが、東大理Ⅲに現役で合格する人でさえ、青チャートの例題は初見でほとんど解けなかったようです。ですので、皆さんも解ける必要はありません。

 

そこで挫けずに、何回も解いて解けるようにする精神力が大切です。

 

標準問題集で身につけるべきこと②:自分の頭で考える訓練

標準問題の解法を身につけたら、次は自分の頭で考える訓練です。これをやるためには、例題と見かけが違う問題が必要です。数字をちょっと変えただけでは意味がありません。

 

この問題選定がなかなか難しいのですが、「1対1対応の演習」はちょっとだけひねった問題を用意してくれています!ありがたや!皆さんが入試会場で出会う問題は十中八九が初見です。それを練習のうちから出来るなんてありがたいと思いませんか?しかも「1対1対応の演習」は制限時間まで載っています。制限時間の2倍くらいを目安にチャレンジしてみましょう。

 

標準的な問題集で他に有名なのは「チャート」「フォーカスゴールド」「標準問題精講」などがありますが、演習題が使いにくいので僕は好きではありません。自分の頭で考える訓練ができません。あくまで僕の好き嫌いです。好きな人は使って下さい。

 

この段階をやらないと、いつまでたっても数学が出来るようにならないので注意して下さい!

 

標準問題集を選ぶ際の注意

数学の問題集でよく質問されるのが「〇〇の問題集をやったら△△大学に行けますか?」という質問です。

 

よくよく聞いてみると、この質問をする人のほとんどは大変大きな間違いをしています。〇〇問題集をやったら、△△大学の問題が全て初見ではなくなると思ってることです。「あ、これ〇〇問題集でやったことある!」みたいな状況を想像している人が多いのには本当にびっくりします。進研ゼミをやった後の定期試験じゃないんだから、そんなことあり得ませんよ(笑)

 

このページの最初の方にある、東京大学からのメッセージをしっかり読んで下さいね。

 

教科書の使い方のまとめ

・教科書が全ての基礎であり、試験範囲である。

・教科書を1回読んで理解するのは無理(特に証明)なので、勉強が進んだら振り返ることを繰り返す。

・問題数をこなして練習したい場合は、教科書傍用問題集を使う。でも全てを解く必要はない

 

教科書をマスターして医学部に合格して下さい!応援しています。






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