【2019年度】第二回全統記述模試の講評【数学、生物】




8月25日(関東地方)に行われた全統記述模試の数学と生物の講評です。復習などの参考にして下さい。数学は例年よりかなり難しくなってる気がしました。出題者に変更があったのかな?私立の医学部を目指しているけど全然出来なかった人は気にしないで大丈夫です。問題の毛色が違いすぎます。

第2回全統記述模試の講評【数学】

大問1 小問集合

目標点数:40点

小問集合は必ず満点を取りましょう。ここで落とす場合は、早目に基本知識を確認して下さい。入試でこのレベルの問題を落としたら合格は絶望的です。今の時期であれば、計算ミスで1つくらい落とすのは許容範囲ですが。このレベルをチェックする際にオススメなのは東京出版の「入試数学の基礎徹底」です。小問集合や各大問の(1)レベルの問題を総チェックできます。

数学ⅠAⅡBは4週間くらいで、数学Ⅲは2週間くらいで終わります。

大問2 円と直線の共有点の個数

目標点数:24点以上

(1)と(2)は出来ないとダメです。教科書の例題レベルです。

解説にある線分の垂直二等分線に注目した解き方は上手ですね。計算一辺倒で解いた人は必ず目を通しておいて下さい。図形に関する問題は、図形の性質に着目して解くのが一番速く解けます。解説の方法を全く思いつかなかった人は、今回出会えたことを感謝して、「図形的に考える」という視点を獲得して下さい。それが数学の勉強です。解けたからOKとしないように。

 

(3) は難しいというかめんどくさいですね。探し漏れ出てきそうです。全部は求められなくても、1個は最低でも求めたいですけどね。以下のことをやっていたかチェックして下さい。

①:図を描いた(円が原点を通っているなど、ある程度正確に。)

②:①のために2円の位置関係を調べた

③:y=mx を適当に書き入れたか(もちろん、原点を通ってる)

これだけ出来ていれば、大丈夫です。後は漏れなく探すだけなので。3つのいずれかを飛ばしていた場合は要注意です。

大問3 和と漸化式

目標点数:40点

これは満点近く取らないといけません。ただ、落とし穴は2つありました。まず、(2)で1つ目の落とし穴が用意されていました。うちの生徒でもいたのですが、①なら解けるが、②は解けないという人がいます。

①:\displaystyle a_n+S_n=4n-2

②:\displaystyle a_n+\sum_{k=1}^n=4n-2

これが同じものに見えない人は、要注意です。次からは間違えないようにしましょう。本質を理解して下さい。

 

(3)が2つ目の落とし穴です。数学の勉強法を間違えている人は(3)は得点できていない(はず)

\displaystyle 4n-6+3\left(\frac{1}{2}\right)^{n-1}>100 を満たす最小の自然数 n を求めよ。

これに対して

「指数に文字があるから\log をとるか」

しか思いつかなかった人は数学の勉強法を間違えている可能性があります。発想は悪くありませんが、それが出来なかった場合に

「よくわからんから、n=1,2,3 などで実験して特徴を探そう」

と、自分の手を動かすのが正しい数学の勉強法(問題へのアプローチ)です。これをしなかった人、そんな勉強法だと実力は上がりませんよ。

大問4 微分と極限

目標点数:28点+α

(1) は式が複雑で微分する気がおきない(笑)まぁそれでも頑張って計算しましょう。

・分子は半径1の円(をy方向に1だけ平行移動)なので0<x<1 では単調減少

・分母は単調増加

この2つからf(x)は単調減少かなと推測できたら素晴らしい実力の持ち主です(できなくてもOKです)。この辺りのことは「合格る計算 数学Ⅲ」のITEM26 に書いてあります。

(2) これも微分はめんどうですが、微分が出来たら正解しないといけない問題です。

 

(3) これは難しいですね。部分点が取れれば十分でしょう。チェックポイントをあげるとすれば以下になります。

①:面積を求められたか

②:不定形であることを調べたか(意外とやらない人が多い)

③:おそらく \displaystyle \lim_{h \to 0}\frac{\log(1+h)}{h}=1 を使うんだろうな

④:③を考えると、t-1=h など、何かしらの置換は必要だろうな(実際の置換は h=\sqrt{1-t^2} ですが、大事なのは置換が必要なことに思い至ることです)。

 

この問題が解けなくても、④まで考えられれば私立医学部では十分に闘えます。④までたどり着けなかった人は、自分には何が足りていないのかをしっかり認識して下さい。現役生は②までで十分かと思います。現役生の夏の時点で③を覚えている人はそうそういないでしょう。また、③の公式を覚えていない人は本当に多いので気をつけて下さい。式変形が複雑ですので、解けた人はほとんどいないと思います。解けたら自慢して良いと思います。

大問5(選択) 整数

目標点数:22点

(1)と(2)は簡単だから解けないといけませんが、(3)を時間内に解ける受験生って100人もいないような気がします。これも解けたら自慢して良いと思いますよ。全統記述模試ってこんな難しい問題出すんでしたっけ??

大問6(選択) 積分と数値評価

目標点数:22+α

(1) 出来ないといけません。

(2) 上下関係を調べて部分積分するだけなので出来ないといけません。

(3) 最後の面積評価は出来なくても良いと思いますが、そこまでは進みたい。チェックポイントとしては以下になります。

①:凹凸を調べられたか

②:Tを求められたか

③:S-T \  or \  T-S を計算したか

現役生は①までで十分です。浪人生は③までいきたいですね。ただ、Tの計算はめんどうです。私立医学部では、ここまでの計算はあまり出ないような・・・だからといってやらなくて良いわけではありませんが。

第2回 全統記述模試の数学まとめ

目標点は154点です。もしくは大問2の最後を解けなくて142点ですかね。各大問の最後は難しく、解き切るのは難しいでしょう。しかし、(2) までは教科書レベル+計算が複雑なだけでした。小問集合を完答して、残りは(2)までで142点、これで偏差値は65くらいでしょう。つまり、医学部で勝負できる偏差値を取るためには以下の2つを身に着ければ良いのです。

・教科書レベルの問題を漏れなく解く

・計算力を身につける(特に数Ⅲ)

これだけです。簡単じゃないですか?予備校や塾に行ってる場合じゃないでしょ(あくまで偏差値の話です)。現役生は学校の勉強をきちんと頑張りましょう。浪人生は自分に足りていないものを自覚して自習しましょう。数Ⅲの計算問題を練習したい人は「合格る計算 数学Ⅲ」をオススメします。

全統記述模試の数学の平均点と偏差値について

例年、全統記述模試の平均点は70~75点くらいで、標準偏差は40点くらいです。なので以下が点数と偏差値の目安です。

70点で偏差値50

110点で偏差値60

150点で偏差値70

 

※:標準偏差とは、偏差値を10上げるために必要な点数です。ですので、

平均点+標準偏差で偏差値が60

平均点+標準偏差+標準偏差で偏差値が70

となります。

第2回全統記述模試の講評【生物】

大問1 体細胞分裂と細胞周期

目標点数:25点(満点)

標準的です。どの問題集にも載ってるような問題なので、これが難しいと感じたら勉強不足です。問4は考察問題として出題されましたが、ほとんどの問題集に載っているので、実質知識問題です(知識がなくても解けますが)。現役生で、まだ類題に当たったことのない人には厳しかったかもしれません。浪人生で手も足も出なかった場合は勉強方法を見直しましょう。結構やばいです。

 

以下の問題集に類題がありました。

駿台文庫 理系標準問題集 57番

基礎問題精講 実戦3番

大森徹の最強問題集159題 12番

この中では、最強問題集の解説が1番優れているように感じます。上の3冊どれも大森先生の著書なので、解説を統一してほしいんですね(笑)

 

医学部を目指す場合の補足

問2:染色に関する問題です。この問題自体は簡単でしたが、ヤヌスグリーンは何を染めるか知っていますか?そこら辺もしっかり調べるのが模試の復習です。

染色部 染色液
酢酸カーミン
酢酸オルセイン
メチルグリーンピロニン染液 DNA:青(青緑) RNA:赤
ミトコンドリア ヤヌスグリーン 青緑

 

問3:細胞骨格についての補足です。

細胞骨格 構成タンパク質 モータータンパク質 関係しているもの
アクチンフィラメント(細い) アクチン ミオシン アメーバ運動、原形質流動、筋収縮
中間径フィラメント(普通) ケラチン なし 細胞の形の維持、核の形の維持
微小管(太い) チューブリン キネシンとダイニン 鞭毛、繊毛、染色体の移動、細胞小器官の移動

 

帝京大学2015年大問1の問6に次のような問題がありました(表現を少し変えている所があります)。

以下の中から正しい文章を全て選べ。

①:細胞の形を維持するために働いている細胞骨格が、葉緑体の原形質流動やアメーバ運動に関わっている。

②:細胞骨格は3種類に大別され、アクチンフィラメントの直径が一番大きい。

③:細胞分裂のときに見られる紡錘糸は、2種類のチューブリンというタンパク質が多数結合してできた微小管が管状に伸びたものである。

④:中心体は、中間径フィラメントの形成の起点となっている。

⑤:微小管は、精子の鞭毛の中にも存在する。

⑥:中間径フィラメントは細胞質だけでなく核内にも存在し、核の形の保持に役立っている。

⑦:葉緑体の原形質流動では、細胞内にあるアクチンが葉緑体を結合し、ミオシンが集合してできたフィラメントの上を相互作用しながら移動する。

⑧:微小管は、視床下部にある神経分泌細胞でつくられたホルモンの軸索内の輸送に関わっており、輸送の際にキネシンがモータータンパク質として働く。

⑨:モータータンパク質であるダイニンやキネシンは、細胞骨格のレール上を移動するために必要となるATPを合成する酵素(ATPアーゼ)の機能をもっている

 

 

 

 

 

 

わかりましたか?赤本によると、正しい文章は⑤、⑥、⑧、⑨だそうです。個人的には⑨の「ATPを合成する酵素(ATPアーゼ)」は間違っているように思います。分解なら分かるのですが。誤植なのかどうかはわかりません。⑧は、キネシンとダイニンの違いまで知っておかないといけないので、やや難しいなと思います。

大問2 腎臓と肝臓

目標点数:15~19点

問2は意表をつかれた人がいるんじゃないでしょうか。でも、医学部を目指す人は間違えてはいけません。医者を目指しているのに、肝臓の構造をよく知らないなんて、意識が低すぎますよね。

問5の(1)~(3)は見慣れないグラフなので出来なかった人も多いと思います。僕もとりあえず飛ばしました(笑)制限時間との相談ですが、時間が余らなかった人は得点できなくてもあまり問題ないと思います。(4)は浸透圧の知識さえあれば解けます。ここが出来ない人は、自分の頭でモノ事を考えていない(考えられない?)可能性が高いです。かなりマズイ人だと自覚して下さい。暗記だけじゃ生物は無理ですよ。

大問3 発生

目標点数:22点

センチュウが題材として選ばれており、見た目が複雑そうなので飛ばした人もいるかもしれませんが、問題自体は簡単でした。見掛け倒しですね。センチュウの細胞系譜に関する問題は「大森徹の最強問題集159」44番にあります。しかし、類題経験がなくても解けないといけません。

 

問1、2は常識にしておきましょう。

問3のプログラム細胞死とアポトーシスに関しては解けなくても良いのではないでしょうか。教科書にも載っていないですし。「大森徹の最強講義117講」のp.259には記載があります。

問4、5は考察問題です。特に問5は前提知識が全く要らない考察問題で、しかも簡単です。問5(特に(2))が解けなかった人は、正直言って生物を諦めた方が良いと思います。これくらいの推論が出来ない人が医学部に合格する可能性はかなり低いです。もちろん、分かってはいたがうまく文章に出来なくて間違えた、という人は問題ありません。練習すればどうにかなります。論述用の問題集を使って練習しましょう。

大問4 遺伝子と遺伝

目標点数:10~17点

問1~3は基本的な問題です。

問4は最初、どうやっていいかさっぱりわからなくて、5分くらい悩みました(笑)リード文を4回くらい読んでやっと手がかりが掴めました。皆さんも1回読んで分からないからと言って諦めないで下さいね。ただ、センス鎖とアンチセンス鎖の違いがよくわかってない人には厳しかったと思います。解説をよく読んで復習して下さい。

問6、7は見た目は難しそうですが、いたって標準的で素直な問題です。遺伝が苦手な人は夏の間に克服しましょう。オススメは「DOシリーズ大森徹の生物 遺伝問題の解法」です。

第2回 全統記述模試 生物のまとめ

少なくても72点は欲しいです。まずざっと解いていき、難しそうなもの+計算問題は飛ばします。大問2の問5と大問4の問7ですね。それ以外をきちんと取りましょう。もちろん、人間なので忘れる所はあると思います。それでも70点くらいは確保できるはずです。そして、余った時間で、どちらかの問題にチャレンジします。うまくいけば80点は超えるでしょう。そうすれば偏差値は70弱だと思いますので、偏差値的には医学部を狙えます。

全統記述模試の生物の平均点と偏差値について

全統記述模試の生物の平均点は45点くらいで、標準偏差は20点くらいです。よって点数と偏差値は以下のようになります。

55点→偏差値55

65点→偏差値60

75点→偏差値65

85点→偏差値70

あくまで目安です。

全統記述模試の生物で点数を取るには

基本的な問題集、例えば

・リードLightノート(数研出版)

・生物基本徹底48(駿台文庫)

がきちんと頭に入っていれば、40点以上は取れます。各大問の最初にある知識問題でポロポロ落としている人はもう一度、基本知識を確認しましょう。こういう所で点数を落とすのが一番ダメです。

上記の基本知識を身につけた上で、大問1のような標準問題を解く為の知識を身につけます。問題集で言えば以下が有名です。

・基礎問題精講(旺文社)

・理系標準問題集(駿台文庫)

これらの本で、頻出問題の解法を覚える必要があります。問題を見て、解き方がすぐに出てくるくらい使い込んで下さい。

また、資料集や「大森徹の最強講義117講」は常に手元において、何度も読み返して下さい。生物は教科書だけでは知識が足りません

 


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